Re: 津波の河川遡上距離の簡易推定手法について

投稿者: admin 投稿日時: 2011-3-24 11:36:27
 お問合せの件について、当時、当センターで検討に携わった折敷氏より、下記の情報提供を頂いたので、ご紹介致します。
 合わせて、参考となる論文もご提供頂きましたので、添付致します。

<本手法を提案するに至った研究の背景と経緯>
 日本大学大学院講師   折敷 秀雄

 本研究で提案する手法は,詳細な河川地形等のデータや数値計算などの専門的技術を必要とせず,河口の津波諸元(津波高など)と対象河川の地形的条件(平均的な水深や河床勾配など)から河川内の概略の津波高と遡上距離を手計算で求めることを目標にした.
 具体的には、河口での津波諸元を与条件として,河川条件を変化させながら1次元の数値計算によって上記2つの概略値に対する感度分析を行い,相関性の高い項目を抽出する.抽出された項目を用いて上記2つの概略値を簡易に推定する式を導出した。

 また、この方法は、平面2次元解析によって波源から津波高の算定を行おうとする河川において,あらかじめ当該河川における概略の最大津波高,遡上距離を本手法によって求めておけば,解析モデル作成範囲の設定などを効率的に行うこともできると考えた.
 ただし、本式の導出にあたっては過去の室内2次元水路における水理実験データや実河川における粗度係数などの諸データを使用して

○ 河道の縦断形状は直線の河床勾配とする.
○ 河道の横断形状は単位幅,単断面の矩形とする.
○ 底面摩擦はマニングの粗度係数n=0.025とする.
○ 河道の水深は設定した河床勾配およびマニングの粗度係数から得られる等流水深とする.

として整理した。

 上記のように、本手法は限定された条件でモデル設定を行い解析された経緯を踏まえて,河口周辺区域に津波の挙動に影響を及ぼす特異な地形がないことや、解析対象河川の河道形状が直線に近い複雑でないこと等の条件を備えている河川で、限定的に適用できることに留意しなければならない.

 なお、本研究は、日本大学大学院総合科学研究科 首藤伸夫 教授(現 東北大学名誉教授) の指導を受けて著者らが取りまとめたものである。



添付ファイル
添付ファイル:Sizeヒット
pdf 河川における津波高の概略値を推定する簡易手法.pdf 516.17 KB 2778

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